本格的な花粉シーズン到来。犬と猫にも花粉症対策をしてくださいね。

2016年2月17日、日本気象協会から春のスギ花粉前線の予測が発表されました。

その予報によりますと「2月13日(土)には東京都心で花粉の飛散開始が確認され、2月21日(日)には仙台市内でも飛散が開始するなど、各地で本格的な花粉の飛散が始まっています。スギ花粉前線はぐんぐん北上しており、3月中旬にかけて東北地方を北上するでしょう。まだ、花粉が飛び始めていない地域でも、早めの対策をしておくと安心ですね。」とのこと。

本格的な花粉シーズンの到来に向けて、今から体調を整えたり、対策グッズの準備をするなど、人とペットの健康維持のために少しずつ環境を整えていきましょう。

引用:日本気象協会から2016年春の花粉飛散数予測

犬と猫にも花粉症はあります。

犬の花粉症

 

花粉症というと人間のアレルギー疾患と思われがちですが、近年、犬と猫の花粉症も急増しています。

人間の花粉症は、春先に大量に飛散するスギ花粉、ヒノキ花粉が原因となるアレルギー疾患が多く、秋に飛散するブタクサ(キク科)、イネ科、ヨモギなどの花粉によるアレルギー疾患を持つ人も少なくありません。

犬と猫も人間のアレルギー疾患と同様にスギ花粉、ヒノキ花粉が原因となることがありますが、どちらかというとブタクサなどのキク科や散歩コースによくある雑草に多いイネ科植物による花粉症が多く見られます。

 

犬と猫の花粉症の症状は?


猫_症状

 

犬と猫の花粉症の症状は、人間と同様にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみの「花粉症の4大症状」が出る場合もありますが、多くは皮膚症状に現れます。

犬と猫の花粉症は、花粉にだけ反応するアレルギー疾患は少なく、根底には遺伝的な異常、表皮の異常、環境要因によるアトピー性皮膚炎をもつ犬や猫が、花粉などのアレルゲン(抗原)に一定量を超え身体に付着または体内に取り入れられた場合、皮膚にアレルギー反応をおこし、 目の周り、お腹、背中の皮膚が赤くなったり、皮膚を痒がることにより毛が抜ける、外耳炎などの皮膚炎症状が現れます。

アトピー性疾患のアレルゲンは、マラセチア(カビ(真菌)の一種の酵母菌)、ダニ、ノミ、食物、薬物、花粉、昆虫など多数あるため、特定するためにはさまざまな検査(血清Ige測定検査、皮内反応試験、除去食試験)を重ね、食物アレルギーについては数ヶ月以上に渡り、除去食試験の経過を観察しながらアレルギー反応をみる必要があります。

 

犬と猫の花粉症対策

 

花粉症対策

上記で述べた通り、犬と猫のアトピー性疾患のアレルゲンは花粉に限らず多数あるため、花粉対策だけでは不十分かもしれませんが、少しでもアレルゲンとなる物質から遠ざけるだけで、アレルギー反応が弱まることもありますので、花粉が多く飛散する時期には、人間の花粉症対策と同様に花粉をできるだけ体に付着しないようにすることが一番の対策です。

猫の場合は、散歩の必要はありませんので、飼い主さまが原因となる花粉をお部屋に持ち込まなければ症状はだいぶ抑えられます。

犬の場合は、花粉症でも適度な運動は必要ですので、人間と同様に外出時、帰宅時に花粉をお部屋に持ち込まないようにするだけで花粉症の症状はだいぶ緩和されます。

 

外出時、帰宅時の花粉症対策

 

その1.花粉が多く飛散する時間帯の散歩は避けましょう。

 

スギ花粉は日の出とともに雄花が開き、花粉が飛び始めお昼頃にピークを迎えます。そして、日中に舞った花粉が帰宅ラッシュ時刻に再度日中並みに舞いますが、徐々に落ち着き22時から日の出前の5時くらいまでが花粉の飛散量が少ない時間帯となります。

アレルゲンとなる花粉と生活環境によって花粉の飛散する時間帯もことなりますので、散歩コースにある雑木林や道ばたにある草花の種類など確認してみてください。

 

その2.花粉が出来るだけ付着しないよう対策しましょう。

 

散歩に行くときは犬には服を着せ、出来るだけ体に直接花粉が付着しないようにしましょう。人間の衣類と同様に、凹凸が少ない生地でできた衣類を選び、凹凸がある生地でできた衣類(ウール素材、セーター等)は避け、肌に直接スプレーできる「花粉の反発と吸着を防止するスプレー」なども活用してください。

 

その3.帰宅時は玄関で出来るだけ花粉を落としてから部屋に入りましょう。

 

帰宅時は、玄関前で出来るだけ体に付着した花粉を除去してください。ファブリーズハウスダストクリアなどの花粉除去効果のあるスプレーを飼い主さまと犬の服にかけた後に、犬とともに上着を脱ぎ、花粉を出来るだけ除去します。

そして、濡れたタオルで花粉がつきやすい前足・後足・お腹・顔を拭いてあげれば大分花粉はなくなっているはずです。

 

 

その4.家族みんなでお部屋に花粉が入らないよう協力しましょう

 

いつも散歩に連れて行くご主人さまと犬だけが対策しても、そのほかのご家族の方も花粉対策をしないと意味がなくなってしまいます。洗濯物を干すとき、ご家族の外出時、帰宅時の対策と玄関での花粉除去など、ともに暮らす家族みんなで花粉症対策することではじめて効果が出ますのでみんなで協力しましょう。

 

その5.アレルゲンを特定する

上記のとおり予防法や対策を挙げましたが、アレルゲンとなる物質を正しく把握し、できる限りそのアレルゲンから遠ざけることが一番の予防になります。

皮膚の疾患が悪化する前に、アレルゲン特異的血中抗体(IgE)検査を実施しているお近くの動物病院を探して、アレルゲンを特定し正しく予防してください。

 

 

まとめ

 

  • 犬と猫にも花粉症があります。
  • 犬と猫は花粉が一つのアレルゲンとなり、アレルギー性皮膚炎の症状を発症することが多い。
  • 動物病院でアレルゲン検査(血清Ige測定検査、皮内反応試験、除去食試験)が可能か確認し、症状が重くなる前に対処療法を行う。
  • 人間とペットの花粉症対策は家族みんなでやってこそ効果が出る

人間もペットもアレルギー性症状はとても辛いです。春を快く迎えるためにも正しい予防と対策をしてください。